ビジネスパーソンに大切な三つの健康

ビジネスパーソンの人生を充実させるアイデアを提供します。

理想の自分という呪縛


オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

最近は将来の目標を持つことが求められています。それは必要なことなのでしょうか?

今の時代、子供の頃から、

  • 自分らしく生きていい
  • 誰でも成りたいものになれる

と言われて育てられています。

目標を持つことは良いことです。しかし、何が自分らしいのか分からなくなって、迷っている人が増えているように感じます。成りたいものになれないことで苦しんでいる人も少なくありません。何が問題なのでしょうか?

成りたいものと言っても、どうやって選んでいるのでしょうか?仕事で言えば、業界、業種、職種など、知らないものの方が多いです。名前も知らないものも少なくないでしょう。名前くらいは聞いたことがあっても、知っていると言えるものは多くないものです。ほんの一部の知っているものの中から選んだなりたいもので良いのでしょうか?

私も子供の頃、何に成りたいか聞かれたことがあります。その答えは、年齢が上がるにつれて、変わっていきました。そして、社会人になって、もっと多くの人と出会い、多くのことを知り、さらに成りたいものが変わっています。

そもそも、自分のことは自分で分かっていると思っているのも、本当でしょうか?

自分が得意だと思っていることでも、実際にしてみると、平凡なレベルのこともあります。苦手だと思っていたことも、実際にしてみると、簡単に出来てしまうこともあります。食わず嫌いと言いますが、嫌だと思っていたことでも、実際にしてみると、意外と好きだったりします。

そして、好きだと思っていたことでも、意外と努力などを続けることが出来ず、それほど好きではないことに気付くこともあります。楽しいと思っていたことも、飽きることもあります。好きなことや楽しいことも変わっていくのです。そして新たに好きなことや楽しいことに出会うものです。何が自分らしいのかも、変わっていくものです。

私自身、子供の頃、成りたいものを聞かれたら、一応答えていましたが、目標として目指す程の思いはありませんでした。目標を持たなくてはいけないと言われて育った時代ではありませんし、将来の目標など明確に持っていませんでした。そして、何に成りたいかも漠然としたまま大学に行きました。しかし、今では、その漠然さが良かったかもしれないと思っています。

もう一つ、私が育った時代に言われていたことがあります。それは、一部の天才を除いて、ほとんどの人は平凡だということです。自分を特別だとも思わないで育ちました。私も他人から評価されたい思いはありました。凡人が評価されるようになるには努力しなければならないと考えていました。

しかし、元々凡人です。評価されるようになって当たり前とは思っていませんでした。頑張れば結果はついて来る、と信じていたかもしれませんが、ただ目の前のことに真剣に取り組むことを考えていただけでした。

成りたい自分など、それ程長い先にことは考えていませんでした。もし考えていたら、不安の方が大きかったかもしれません。そして成りたい自分になれなかった時には大きな挫折感を味わってきたかもしれません。

自分が知らない職業や仕事はたくさんあります。自分の得意なことも分かっていないかもしれません。新たな好きなことや興味があることにも出会うでしょう。自分らしいも、成りたいものも変わっていいのです。

自分らしさや成りたいものを決め切らなくて良いのではないと思っています。決めた通りにならなくても、それで落ち込む必要はありません。自分を責める必要もありません。少なくとも、自分にダメ出しする必要はありません。理想の自分という呪縛に縛られなくて良いのです。もっと柔軟であって良いのです。しなやかに生きて良いのです。