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再び貯蓄から投資へ


オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

岸田内閣が提唱しているのが、新資本主義です。いくら調べても、どこが「新」なのか分かりません。特に何が新しいのか分からないのが、最近話題になっているのが「貯蓄から投資へ」です。私の世代にとっては全く新しくありません。

「貯蓄から投資へ」という方針が政府から初めて打ち出されたのは、小泉内閣の頃です。2001年のことです。バブルが崩壊し、銀行や証券会社が倒産するなど、金融不安が広がっていた時期です。あれから20年以上経っています。20年経っても個人のお金のほとんどが投資には回らず、銀行などに貯金されているようです。

2001年当時、投資している人は少なく、知識も経験もない人がほとんどでした。投資は危険なものとして、避ける人がほとんどでした。そして、老後には年金があり、持っているお金もリスクを冒してまで投資する必要はない、と考えている人がほとんどでした。当時、年金に入り、貯蓄していれば十分、というよりも、それが一番良いとされていました。そのため、ほとんどの人が、お金についての知識を必要としていませんでした。

学ぶ機会もなく、知識は不十分でした。それでは自己責任で貯蓄から投資へ、と言われても出来るわけがありません。そこで個人のマネープランを考えることを支援するために、2002年に新しく出来た国家資格がファイナンシャル・プランニング技能士です。それ以前は民間資格にしかなかったファイナンシャル・プランナーを国家資格にも加えたのです。

私は当時、ファイナンシャル・プランナーの上級資格を持っており、国家資格も取得しました。しかし、私の実感では、多くの人の意識は変わっていません。貯蓄には熱心ですが、投資をしている人は少ないです。そして、投資を誤解している人も多いです。具体的に言うと、投資と投機を混同している人がほとんどです。

投機は一攫千金を狙っての一種の賭けです。しかし、投資はお金の運用の一つです。そして日本人の多くが貯蓄と考えている銀行の預金も、投資の一種です。銀行の普通預金という商品に投資しているのです。

投資にはリスクが伴います。リスクとは変動です。変動幅の大小をリスクでは高低と表現します。そして運用による利益の大きさをリターンと言います。リターンを低く抑えれば、高いリターンは望めません。そして、高いリターンを目指せばリスクは高くなります。これは常識です。

また、リスクは短期で考えると大きいですが、長期で考えれば一定の範囲内に収束します。これも常識です。ですので、運用期間の短い高齢者には高いリスクの投資はお勧め出来ません。逆に、長い運用期間を想定できる若い人ならば、多少高いリスクの投資を検討することが勧められます。これも常識です。

「貯蓄から投資へ」というのは、実際には、リスクが低くてリターンが望めない投資先から、より高いリターンを求めて少し高いリスクの投資先へ変えましょう、と勧めているのです。

貯蓄と投資とに良し悪しはありません。ただ、違いがあるだけです。日本人はリスクを嫌う傾向が強いです。ただし、置いておいても増えない所にお金を置いていても、物価が上がれば実質的には目減りしていきます。この機会に、投資について学び、リスクと付き合うことに慣れるのは良いことだと思っています。

あなたの大切なお金の運用について、この機会に考えてみませんか?