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「アリとキリギリス」の話を知っている人は多いでしょう。しかし、その結末は三つあるそうです。
「アリとキリギリス」はイソップ寓話のひとつです。アリは暑い夏に一生懸命働き、暖かく過ごせるように巣穴を掘り、食べる物を手に入れることが難しい冬に向けて食べ物を貯めます。一方、キリギリスは、バイオリンを弾いたり、休んでばかりいた上に、暑い時に働いているアリをからかっていました。そして冬になると、アリは暖かい巣穴で過ごすことが出来ますし、貯めていたので食べる物も十分にありました。キリギリスは食べる物もなければ、暖を取る所もなく凍え死にそうになります。
そこで、キリギリスはアリを訪ねて、食べ物を分けてもらうように頼みます。アリは食べ物を分ける代わりにバイオリンを弾いて下さいと頼みます。キリギリスは喜び、バイオリンを弾き、次の年からは夏の暑い時期も真面目に働くようになった、というお話しです。勤勉であることの大切さを教えるのにふさわしい物語です。
これが日本で読まれている「アリとキリギリス」の結末です。しかし、実際には他に2つのパターンの結末があるそうです。一つ目は、アリがキリギリスを家に入れることを断るパターンです。当然、キリギリスは凍え死んでしまいます。もう一つは、キリギリスは冬になるまで十分に人生を楽しんだので、満足して死んでいくパターンです。
この物語の冬は人生では老後です。年金だけでは生活は不安と言う人がです。そこで老後のためにお金を貯めないといけないと考えている人も多いようです。コツコツ貯めているのがアリです。全く貯めないでいるのがキリギリスです。ところで困った時に助けてくれるアリは誰でしょう?
いろいろと言われていますが、日本は福祉制度が進んでいる国です。日本では一般的ではないパターンの中の、アリに断られて凍え死ぬことはないでしょう。生活保護などで豊かとは言えないでしょうが、何とか生活出来ることは出来るでしょう。この場合、アリは国です。国に頼るということは、その時代の現役世代に頼るのと同じです。
生活保護を受けるのも嫌だったり、もう少し豊かな生活をしようとすれば、頼る相手は子供になるでしょう。子供にも生活があり、イベントや老後のために貯蓄が必要です。それでも子供に頼りますか?
人生を楽しんだからもう十分満足して死ぬというのはどうでしょう?貯えがなくなったら人生に満足して死ぬという考え方もあると思います。そう考えている人もいるでしょう。しかし実際には難しいようです。いつ死んでも良い、あるいは人に負担をかけるような身体状態になる前に死にたいと言っていたひとも、いざその状態になるとやはり生きることに執着するようです。
今の日本では凍え死ぬことは難しいでしょう。そして凍え死ぬことが出来るとしても、人生に満足して死ぬことは出来ないようです。
老後資金の準備として、65歳までに1千万円貯めるとします。働く期間は約40年、480か月です。1千万円貯めるとすると月に2万円くらいです。もちろん運用すれば、もっと少なくて済むでしょう。一つの会社に長く勤めれば、退職金もあるでしょう。しかし、老後の前にもいろいろとお金の必要なイベントがあります。ある程度毎月コツコツと貯めることは必要です。
今を楽しむことを優先したいのは当然です。しかし、「アリとキリギリス」の話を思い出してみて下さい。将来のことも考えて、今の行動を見直してみてはいかがでしょうか?
オフィス・ビブラビ代表。
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